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「人が幸せになるかどうか」が最重要キーワード ITを活かした業務改善も積極的に

23拠点(平成25年4月現在)からなる「朱鷺の苑」グループを運営する社会福祉法人 北伸福祉会(以下、同法人)さま。
高齢者福祉施設「朱鷺の苑」、児童福祉施設「あすなろ学園」など、さまざまな分野で福祉事業を進めている同法人の経営理念には、「希望」「敬愛」「報謝」が原点にあり、真心を込めた社会奉仕を忘れない「やさしさ」を重視したサービスを充実してきました。

2000年に株式会社内田洋行ITソリューションズ(以下、ITS)の介護・福祉施設向けソリューション「絆」を導入し、それまで各施設で個別に行われてきた事務作業を、計算センターで集中管理できるようにした背景にも、この理念が強く関わっているといいます。
同法人の運営理念や、実際の現場での活用状況など、詳しく伺いました。

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  • 各施設で個別に行われてきた事務作業を集中管理したい
  • 必要以上にかかっていた作業工数を削減し、効率化したい

経営理念とIT導入についての考え

『福祉とは「幸せ社会の構築」 施設を利用する人にも働く人にも幸せな環境を』
-北伸福祉会さまの歩みと法人理念について詳しくお聞かせください。-

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農業の傍ら、運送業に取り組んでいましたが、昭和56年に環境分野へ進んだことが福祉に携わるきっかけでした。それまで宅配・集配を行なっていたのをゴミ収集事業に切り替えた、これが北伸福祉会の始まりでした。
福祉とは「幸せ社会の構築」が原点であり、様々な事業に投資をすることも、社会に貢献するという意味で福祉につながっています。昭和58年、児童養護の施設「あすなろ学園」を開設して以来、「福祉は国家・国民の財産であり権利である」という理念のもとに朱鷺の苑が存在しているのです。

私が常に考えているのは、お金というのは日本銀行券であり、自分のお金というものはない、ということ。
朱鷺の苑で毎日たくさんの職員が働いています。そうして働いてくれることで、お金を稼ぐことができる。ではこのお金で事業をするのかというとそうではなく、私は職員それぞれの「心」を預かって事業を行なっています。職員は自分たちの生活のために働いているのであり、自分たちの幸せのために働いているのだから、そこに「心」があるのです。私はこのことへの感謝の気持ちをいつも持っています。
この「心」に対し返せるのは「真心」だけ。だから職員への給与や福利厚生を充実させ、職場の環境を整えることを常に考えています

利用者の環境に対しても同じ考えだから、「これだ」と思うことは取り入れています。敷地内で湧いた温泉を各施設に配湯し、施設の屋根を太陽光の研究場所として貸し出し通産省と共同研究をしました。太陽光発電が出来たら次はソーラーで湯を沸かそう、ということでそのための水は地下水を掘りました。いまソーラーに循環しているのは地下から掘り出した水ですよ。

『“考働”するということが重要 人間の幸せのために最良のものを導入する』
-福祉分野へのIT導入についてはどのようにお考えですか?-

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昭和40年後半にコンピュータが導入され始めたとき、私は「これでどのくらいランニングコストが減るのか」と聞いてみたことがあります。すると「人員は減っていない、むしろコンピュータを使用する技術を持つ人材を入れたのでランニングコストは増えている。コストが減るのはもっと先の事だ」という答えでした。
それから2000年に介護保険が始まったときにシステムの導入に踏み切ったのは、介護保険の計算の難しい部分をコンピュータに任せることでランニングコストを節約するためでした。

便利なものを導入して、それでどうするのかというと、「儲かるため」ではなく結局は「人のため」になってなければいけません。一番大事なのは「人」。人が伴っていなければ何事も判断することは出来ないし、事業を進めることが出来ないのです。人のためにどれだけ発想できるか、ということが経営力なのです。

「行動」ではなく、「考働(考えて働く)」が重要。限りある時間の中でどれだけ発想できるか、自分の時間を有効に使えるかが全てなのです。たとえばロボットを作ってロボット社会になったとして、それでロボットを作った人が幸せになるのではないですね。ロボットによって労働時間がおさえられ、そのことでいかに人間が幸せになるか、それが重要なのです。人間の文化的な部分、家族があってこそ、友達があってこそ、すべてに感謝の気持ちがなければいけない。
お互いに「ご苦労さん、ありがとう」という気持ちがあってこそじゃないでしょうかね。

自分では分からない技術的な部分は技術者に教えてもらい、良いものであれば取り入れます。そして次に新しいもの、変わったものが出来たら持っておいで、と言ってあるので、常に最も優れたものや新しい技術を私のところに集めてくれます。
コンピュータでも他のものでも、最先端のものを取り入れて使うことで、業務においての有効性を確かめることができるし、技術者はより良いものを作り提供してくれる。これも社会の中で役目を持つということであり、社会貢献です。労働にどんな影響があるかという視点で技術を評価して、良いものならいつでも積極的に導入していきます。

『人の絆をなによりも大事にした経営を』
-北伸福祉会さまの今後の事業について教えて下さい。-

先日、北伸福祉会創立30周年を記念して本を作りましたが、その表題に「読む 見る 実践 行動を」と書きました。
この順番が重要で、発想したものを行動に結びつけることができてこそ、物事が活きると考えています。自分で調べて知って、行動に移すことが大切ですね。

便利なものを導入して、それでどうするのかというと、「儲かるため」ではなく結局は「人のため」になってなければいけません。一番大事なのは「人」。人が伴っていなければ何事も判断することは出来ないし、事業を進めることが出来ないのです。人のためにどれだけ発想できるか、ということが経営力なのです。

また、今までもこれからも、人の絆をなによりも大事に考えていきます。近年では海外との交流もあり、韓国の福祉関係者の視察や、中国との福祉分野での交流もあります。中国の伝統的な足つぼマッサージの技術を学ぶための講義では、マッサージを教える先生との会話を、北伸福祉会で働く中国人の女性が通訳しました。このようにして出来た縁を大切にしたいと思っているし、このような国際交流で得たマッサージの技術で、施設の利用者にとても喜んでもらえていることは何よりの宝ですね。

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そうやって人のできないことをやってきました。こういう経営方法は、なかなかみんながやれるものではないと思います。自分で考え、発想し、実践する。私にしかできない経営で、福祉を通して社会の幸せを考えていきますよ。

「絆」導入のポイントと効果

『事務作業の統括で効率的なチェック体制が完成』
-「絆」を導入した効果はいかがですか?-

「絆」を導入するまでは、サービスにあたった職員が紙に書いてきた報告書を、事務員が業務端末に入力していましたが、現在は職員が直接「絆」に入力するようになりました。サービスをおこなった者が直接入力も担当しますから、操作に慣れないうちは時間がかかっていたものの、具体的なサービス内容を入力できますのでミスも少ないです。また、すべての施設のシステムを「絆」に統一しているので、施設間で職員の異動があった際に戸惑いなく業務に入っていくことができますね。

全施設をネットワークでつなぎ、計算センターで事務作業を統括するようになった利点としては、施設間でやり取りする利用者の情報を一括管理できるようになったことです。
たとえばある施設のデイサービスを利用されている方が、ときどき別の施設のショートステイをご利用になる場合、以前なら、両方の施設でそれぞれ利用者台帳を作っていました。どちらの施設でも利用状況を記録しておく必要があったのです。現在は、計算センターで利用者ひとりひとりの情報を管理しておりネットワークでつながっている各施設から呼び出せるようになったので、ひとりの利用者の情報は、すべてひとつのデータ内に記録しておくことができます。
これにより、たとえば各施設ごとの利用料を一括でお支払いいただけるということも可能ですので、利用者から見ても分かりやすくなっていると思います。


総務部長 東野 顕子 様

『現場にとって使いやすいシステムです ポイントをおさえたフォローに期待』
-「絆」を使用されている現場からはどんな声が出ていますか?-


計算センター事務長 木道 聡 様
介護職員やケアマネージャーが新しく配属されたときに、「絆」の操作指導を現場でお互いに行なっているようです。職員同士で教え合えるわけですから、現場にとって使いやすいシステムになっているということですね。
北伸福祉会は施設数が多く、今後も増えていきますし、データ量も多いので、これまで以上に動作レスポンスの改善やサポートの強化をお願いします。
いまはITSさんのコールセンターによるサポートが中心ですが、メールマガジン等を活かした細かな情報配信があると助かります。福祉関連の情報収集は、結構大変なんですよ。インターネットを使っていろいろ調べるんですが、検索キーワードでヒットさせるのが難しく、結局同じようなウェブサイトに行きつくことが多いです。現在の福祉業界で注目されているポイントをおさえたフォローを期待しています。

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ユーザー様プロフィール

代表者 理事長 北本 廣吉
創業 1982年12月16日
職員数 約600名
ウェブサイト http://www.tokinoen.com/別画面にて開きます

2013年6月取材(記載内容は取材時の情報です)