業務に合わせたカスタマイズで生産管理を実現 国内外拠点への柔軟な人員配置が可能に!

株式会社名古屋精密金型 様

株式会社名古屋精密金型(以下、同社)さまは、自動車やバイク等のヘッドライトやテールランプに使われるプラスチック部品の金型を製造しています。本社工場をはじめ、国内では熊本・宮崎、国外ではベトナム・インドネシアに製造工場を持ち、各拠点の負荷状況を的確に把握することが大きな課題となっていました。

IT導入に積極的な同社では、20年前から導入していた管理システムを刷新するにあたり、株式会社内田洋行ITソリューションズ(以下、ITS)の「製造業向けシステム(VJit)」を選択しました。
新たな生産管理の仕組みを使いどのような業務改善を行なっていくのか、その狙いについてお聞きしました。

代表者 代表取締役会長 渡邊 幸男
資本金 3,800万円
会社創立 1975年4月
社員数 138名 本社67名、熊本32名、宮崎39名
本社 愛知県知多郡東浦町大字緒川字北鶴根66-5
熊本工場 熊本県菊池郡菊陽町原水字向原926-1
宮崎工場 宮崎県えびの市大字小田1350
ウェブサイト http://www.nagoya-sk.co.jp/(別画面にて開きます)

導入前の課題

  • 老朽化した業務システムの刷新
  • 生産管理・工程管理を的確に行ない、国内外拠点の状況を正確に把握

導入の背景

『工程管理を重視し、海外展開も見据えたIT活用を目指した』

-「業務のIT化を積極的に行なっている理由をお聞かせください。-

当社は海外事業所が2つ、国内事業所が3つあり、それぞれに従業員がいます。金型製造業というのは自動車メーカーが製品を開発する時期やサイクルによって業務が増減するので、これに対応するために各事業所の戦力を有効に使い、効率的に製造するための「工程管理」が非常に重要になっています。ある事業所が、設計が忙しいのか、それとも製造現場が忙しいのか、ということを正しく把握できれば、ほかの事業所から人員を投入したり、比較的手が空いているところに仕事を渡すこともできます。

20年前に導入した旧システムは、業務の変化に伴い必要に応じて機能を追加してきた結果、現在の業務の流れには合わなくなってしまっている部分も多かったんです。工程管理の機能も入っていたものの、機能間のデータがリンクされていないなど使い勝手も悪く、OS対応の問題もあったので、新しいITシステムの確立が必要だと感じていました。

だから、今回新たに「VJit」を導入するにあたり重視したのも、工程管理を適切に行なっていくためのデータを一元管理した生産管理システムを構築・運用できるかどうか、ということでした。

当社には「中国やアメリカで作られて走っているすべての自動車に、当社の金型で出来たランプやライトがついている」という目標があります。グローバル化は今後、より強く進められていくでしょうし、国内も国外も変わらない製品を提供できることが重視されますので、拠点間の情報のやりとりを強化していくうえで、今後、ITの活用はより重要になってくるでしょう。


渡邊 幸男 代表取締役会長

導入のポイント

『当社の業務に合わせたシステムの構築がイメージできた』

-新たな業務システムとして「VJit」を導入されるまでの経緯についてお聞かせください。-


長田 敬道 室長(右)
柴田 英明 課長(左)

ITの導入について、当社は金型メーカーとしては進んでいると思います。20年前から基幹システムを活用しているだけでなく、それを使用する社員教育にも注力しています。それだけに、旧システムの使い勝手の悪さや、現在の業務に合わせたシステムの構築の必要性は、以前から感じていました。

2013年2月に複数の企業からプレゼンを受けた際にもっとも重視したのは、生産管理も含めた工程管理の機能でした。最終目標は各拠点の戦力の把握とその有効活用でしたが、そこへたどり着くまでに、やはり営業段階からの引合管理・日程管理や作業進捗、原価がきちんと知りたい、そのための機能が当社の業務に合っているか、ということでした。

ITSの「VJit」に決定したのは、パッケージを主体としてカスタマイズしていくという仕組みを見て、当社の業務に対応したシステムが構築できるだろうという導入後のイメージを持つことができたからです。また、導入後の対応についても、しっかりとしたサポート体制が用意されていることに安心感を感じたのも大きな理由の一つでした。

導入後の効果

『適切な工程管理と拠点の状況把握で、さらなる業務改革を目指す』

-「VJit」を導入した効果はいかがですか?-


システム的には問題ありません。あとは運用の問題で、今はまだエクセルでの管理も並行稼働していますが、今後は「VJit」で入力することで実績をきちんと蓄積すれば、営業の原価、作業工数や工程が適切であったか分析することができ、より適切な案件受注に繋げることが出来るようになります。

生産管理については、海外も含めた各拠点で正確に進捗を管理することで大きく改善されます。国内外の拠点の負荷予測が正しくできれば、必要な場所に必要な人員を素早く投入できます。金型は製作に時間がかかり、重量も大きいため物流面がネックになることが多かったのですが、ネットワークを通じて設計や加工のデータを共有すれば、製造設備は各拠点にありますから、物流不要でお客様のご要望により素早く対応することが可能になります。

また、月末になると集中していた締め業務による残業が、「VJit」の導入で業務を分担できるようになり負荷が分散されたことで、集計時間も短縮されてきました。

今後の展開

-システムを刷新したことで、今後目標になることは?-

今後は、年次や月次に加えて、日次の決算が出るようになれば理想的ですね。
毎朝、前日の状況や月の途中での累計を現場に見せることができれば、大きな意識の高揚につながると思います。月度の目標に対してあとどれだけ頑張れば良いか、という達成状況が共有できる環境を作りたいです。この業務改善を実現するため、営業活動のスタイルを変えようと提案していきます。

今回のシステム導入が評価され「中部IT経営力大賞2015」大賞を受賞いたしました(2015年3月19日)。導入プロジェクトチームが一生懸命取り組んでくれた結果だと、改めて感じました。


2015年7月取材(記載内容は取材時の情報を元に構成されています。各種データや組織名、役職などは変更されている場合があります。)


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