食品衛生法改正7つのポイント解説!HACCPに対応する支援策とは

公開日:2020.3.05
更新日:2023.9.22

改正食品衛生法7つのポイントとは

食品汚染や食中毒などを防止し食品の安全性を確保するために定められた食品衛生法。今回の改正は幅広く、食品を取り扱うすべての企業に影響を及ぼします。広範囲にわたる改正内容のうち重要なポイント7つをピックアップしご紹介します。

食品衛生法の概要

 食品衛生法とは、食品汚染や食中毒などを防止し食品の安全性を確保するために、1947年に定められた法律です。食品を提供するスーパーマーケットなどの小売店や、食事を提供する飲食店、食品に関わる添加物や容器包装を扱う企業など、食品業界の事業者全体が対象とされています。

 今回の改正食品衛生法は2018年の6月に衆議院で可決されましたが、施行は2年間に渡って行われます。改正のスケジュールは下記の通りです。食品衛生法はHACCPの義務化だけのために改正されたわけではなく、その他営業許可制度の見直しなどの内容も含まれています。

食品衛生法改正スケジュール

食品衛生法改正7つのポイント

広域的な食中毒事案への対策強化

①広域的な食中毒事案への対策強化

 広域的な食中毒事案の発生・拡大を防ぐため、国と関係自治体間での情報共有や連携を強化することが決まりました。緊急を要する場合には、厚生労働大臣が協議会を活用し、事案対応に努めます。これは、2017年に関東を中心に発生した腸管出血性大腸菌O-157食中毒事件などを踏まえてのものです。

HACCPに沿った衛生管理の制度化

②HACCPに沿った衛生管理の制度化

 HACCPとは、食の安全性を確保する衛生管理です。食品事故防止や事故発生時の早期原因究明にも役立つため、今や国際標準となっていますが、日本においては中小規模事業者を中心にまだ導入が進んでいない実態があり、制度化に踏み切られました。2020年6月に施行され、施行後1年間は経過措置がとられます。
HACCPの導入は設備用意や衛生管理方法の検討など、大変時間を要するものです。経過措置期間中に必ず導入できるよう前持った準備が必要です。

特別の注意を必要とする成分等を含む健康被害情報

③特別の注意を必要とする成分等を含む健康被害情報

 健康食品のうち、特別に注意が必要な成分を含む食品について、健康被害が起こったときに、事業者から行政へ届出を行うことも義務化されました。被害情報を収集することで、摂取した場合に起こりうる健康被害のリスクを国民に正しく届け、被害拡大を防ぐ狙いがあります。

国際整合的な食品用器具・容器包装の衛生規制の整備

④国際整合的な食品用器具・容器包装の衛生規制の整備

 これまで、食品用の器具や容器包装は、使用を制限された物質でなければ利用できる「ネガティブリスト制度」で運用されていました。今回の改正では、安全性が担保された物質のみを使用できる「ポジティブリスト制度」へ変更になりました。食品衛生において、食品だけではなく調理や販売の際に用いられる容器や包装も考慮すべきという流れになっています。

営業許可制度の見直し、営業届出制度の創設

⑤営業許可制度の見直し、営業届出制度の創設

 HACCP の制度化に伴い、これまで営業許可が必要ではなかった事業者(自治体独自で許可制度を設けているもの)も営業の届出もしくは許可が必要になりました。これにより、都道府県は各地域にどのような食品事業者がいるのかを把握できるようになり、事業者への衛生管理・指導をより徹底的に実施することが可能です。

食品リコール情報の報告制度の創設

⑥食品リコール情報の報告制度の創設

 事業者が製造・輸入を行った食品について、自主回収(リコール)を行う場合の国への報告が義務付けられました。報告の義務化により、リコール情報の透明化を図ります。また、リコール情報は厚生労働省のWebサイトにまとめられることが予定していて、消費者がそのページにアクセスすれば現在リコール対象となっている商品が一目で確認できるようになります。食品による健康被害拡大を防ぐ目的で創設されました。

輸入食品の安全性確保・食品輸出事務の法定化

⑦輸入食品の安全性確保・食品輸出事務の法定化

 食品を輸入する際に輸入食品の安全性を確保するため、HACCP による衛生管理や乳製品・水産食品の衛生証明書の添付が必要となりました。一方、食品輸出にあたっては、輸出先国の衛生要件を満たすことを示すために、国 ・ 自治体における衛生証明書の発行などの事務手続きを必ず行うことも定められました。

政府によるHACCP制度化支援

HACCP支援法

HACCP支援法

 HACCP導入による食品の製造過程の管理の高度化を促進するため、政府は必要となる施設の整備に対する金融や税制上の支援を講ずる内容を規定した、食品の製造過程の管理の高度化に関する臨時措置法(通称 HACCP支援法)を制定しました。この法律は期限延長が繰り返され、現在2023年まで有効となっています。
指定認証機関から認定された貸付対象者は株式会社日本政策金融金庫による施設整備に対する長期低利融資を受けることが可能です。

HACCP手引書作成支援

HACCP手引書作成支援

 厚生労働省のホームページには、HACCPに沿った衛生管理に取り組む際の負担軽減を図るため、食品等事業者団体が作成し、食品衛生管理に関する技術検討会で内容を確認した手引書が掲載されています。取り扱う食品の種類や製造方法によっては、手引書に記載されている管理方法以外の方法も考えられます。

HACCP文書作成を支援するツール紹介

 食品衛生法の中でも特に注目されるHACCPの導入には、フローダイアグラムやハザード分析表、OPRP/CCP管理表など文書作成が必要不可欠となります。Officeツールで作成することも可能ですが、文書の作成・修正を行う場合、目視で整合性をチェックしなければならないため、担当者の負荷が高くなります。文書に関連する業務の効率化を行うために、HACCP文書作成に特化したツールが有効です。

 本記事で紹介するHACCP文書作成ツール「HACCPクリエータ」はフローダイアグラムの作成・修正における圧倒的な生産性と、ハザード分析表・HACCPプランの自動出力・取込機能により、HACCP文書の作成・維持管理工数を大幅に削減するHACCP文書化専門ツールです。

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【参考】
・厚生労働省 食品衛生法等の一部を改正する法律の概要 2020年2月閲覧
https://www.mhlw.go.jp/content/11131500/000481107.pdf
・厚生労働省 食品衛生法等の一部を改正する法律(平成30年6月13日公布)の概要 2020年2月閲覧
https://www.mhlw.go.jp/content/11130500/000410105.pdf

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