電子取引の電帳法対応を成功させる方法とは? ~迫りくる義務化への対応と電子取引の効率化~

電子取引の電帳法対応を成功させる方法とは? ~迫りくる義務化への対応と電子取引の効率化~

 令和4年度税制改正大綱で、電子帳簿保存法の電子取引保存について宥恕(ゆうじょ)措置が設けられました。その宥恕期間も予定どおり2023年で終わり、2024年以降は令和5年度税制改正大綱が適用されます。令和5年度税制改正大綱からは「電子取引の義務化は明確な対応期限を設けない」と読み取ることができますが、電子取引保存の義務化が廃止されたわけではありません。売上高5,000万円を超える企業は、引き続き対応準備が必要になります。

 複雑な電子帳簿保存法の概要と最適なソリューションについて、ユーザックシステム株式会社の東條康博氏と株式会社内田洋行ITソリューションズの大川貴志氏が対談形式で解説します!

1.電帳法のおさらい

大川 電子帳簿保存法の対象書類は、国税関係帳簿、国税関係書類、電子取引情報の3種類で、今回はそのうちの電子取引情報を取り上げます。「電子取引」とは、取引情報が電磁記録の授受によって行われる取引で、通信手段を問わず全てが該当します。スライド資料の表のとおりに分類されます。

電帳法のおさらい

講演資料:「電子取引の電帳法対応を 成功させる方法とは?」より

 真実性や可視性を満たすための更に細かい課題として、「訂正削除履歴の確保」や「見読可能性の確保」などの要件があります。

講演資料:「電子取引の電帳法対応を 成功させる方法とは?」より

2.令和5年度税制改正大綱での改正内容

大川 令和5年度に電子帳簿保存法の内容が改正され、条件が緩和されました。1つ目は電子取引における「検索機能」です。大きな変更がありましたね。

東條 はい。企業から検索条件が厳しいとの声を受け、税制調査の際にダウンロード、提出の求めに応じられるようになっていれば、全ての検索機能が不要となりました。しかし、売上高が5,000万以下の企業が対象で、該当データを出力書面で提示または提出可能になっていることが必須です。

改正内容1

講演資料:「電子取引の電帳法対応を 成功させる方法とは?」より

大川 2つ目、電子取引への対応期限について。所轄税務署から相当の理由があると認められた場合は、猶予措置として保存要件にかかわらず電子で受け取った国税関係書類を保存できることになりました。

東條 これはやむを得ない理由があり、それが認められた場合の措置ですが、まだ具体例が出されていません。油断せず、対応準備を始める必要があります。

改正内容2

講演資料:「電子取引の電帳法対応を 成功させる方法とは?」より

大川 3つ目、現在の「宥恕(ゆうじょ)措置」について。令和4年に盛り込まれた「23年12月31日まで電子取引への対応義務を猶予する」は予定どおり終了するけれども、24年1月1日から令和5年の大綱が適用となるため、「電子取引の義務化は明確な対応期限を設けない」と読み取ることができます。こちらも「検索機能」の改正と同様に、売上高が5,000万以下の企業が対象であり、対応準備をしていなければ特例措置として認められない可能性があります。

東條 電子帳簿保存法は22年1月に既に施行しています。今はあくまでも宥恕期間です。やはり準備しなければいけません。

改正内容3

講演資料:「電子取引の電帳法対応を 成功させる方法とは?」より

3.電子取引の市場規模の変化と必要な対応

大川 デジタル化に対応したら、テレワークの推進、企業の業務効率化や、帳簿書類の真実性が向上されると考えられます。取引を電子で行うこと自体へのメリットは何でしょうか。

東條 業種や業務によってさまざまですが、身近なところでは、物理的なスペースが不要になることや、検索性の向上などが挙げられます。そして、これが最大のメリットだと考えているのですが、今、当たり前に行っている業務が劇的に楽になるんです。

電帳法の目的

講演資料:「電子取引の電帳法対応を 成功させる方法とは?」より

大川 AIの動向を見ていると、生成系AIで活用できるというメリットもあると思います。では次に、取引の電子化に必要な対応で、一番重要なものは何だと思われますか。

東條 日本ではシステム化にアレルギーを持つ人が多いと感じます。それは、変わることが嫌だからです。運用が変わると、慣れるための時間が必要となり、手間が増えます。そのため、当社ではデジタル化を進める上で、運用の負荷をどう軽減できるか、運用を自動化できるかが一番のポイントだと考えています。

大川 他にも、現在使っている基幹システムやEDIシステムと電子帳簿保存法のために導入するシステムとを組み合わせて利用することも考えなくてはいけませんね。

4.対応ソリューションのご紹介 ~名人シリーズ~

東條 スライド資料には、私ども2社で提案する対応ソリューションを示しています。ポイントは2つあります。1つは運用の自動化です。当社の「名人シリーズ」を使って、データ取得とアーカイブ作成を自動化します。そして、画像系PDFデータは「UC+ドキュメント」、テキストデータは弊社の名人シリーズのオプションである「クラウドオプション」に分けて管理します。

ソリューション

講演資料:「電子取引の電帳法対応を 成功させる方法とは?」より

電帳法対応業務、自動化の意義

 電帳法に対応し、デジタル化をするためには、「新たなシステム導入の検討」「運用の試行錯誤」「現場全体への浸透」を避けては通れません。業務効率化も踏まえた運用の自動化がポイントとなります。

電帳法対応システムとのデータ連携

 A社様の事例を紹介します。A社様ではメール添付での請求書処理が多く、手間のかかる請求メールの電帳法対応を効率化したいということから対応が始まりました。

自動化プロジェクト成功の秘訣

 サービスインまで2カ月と短期間で完了しました。まず、担当者とTo-Doリストを整理し、WBS(作業分解構造)の作成から取り組みました。次にメールパターンの洗い出しを行い、取引先ごとに対象ファイルと受信パターンを記入してリスト化しました。リスト化することにより、どの帳票タイプから自動化を着手していくのか優先順位付けができ、パターン展開も可能になります。さらに、作成したExcelデータのリストは、「Autoメール名人」が参照するデータとしても使うことができます。

 今回はメールでしたが、この手順はウェブでも同様です。リスト化まで済めば、どの端末でどう自動化をするのかを決めます。ここまで準備が整うと、次に自動化を作るフェーズになります。

 業務担当者による取引先や社内での調整も重要です。社内外への告知や調整を最優先で行っていただきました。

 苦労したポイントは、準備段階では取引先が多いことによる洗い出し作業とイレギュラーパターンの調整が大変だったことです。稼働後には、サービスイン後の不具合に苦しみました。しかし、初めから全て完璧に動くことはないと想定し、動かしながら不具合をつぶしていくことで、結果として最短ルートでサービスインにたどり着くことができたのです。

電帳法対応の運用自動化製品ご紹介/電帳法対応パック サクセスプラン

 自動化を支えるRPA製品に「Autoメール名人」と「Autoジョブ名人」がありますが、システムを導入すれば終わりではありません。A社様には「サクセスプランサポート」をご利用いただきました。業務の洗い出しから自動化のフローの開発、テスト、サービスインまでの全ての工程で支援を行うサポートサービスです。このプランの活用により、2カ月という短い時間での稼働が実現しました。標準的なサービス支援期間は3カ月ですが、半年以上のメニューもあります。

PDFファイルは名人で自動取得し、「UC+ドキュメント」へ連係

 PDF関連は、「Autoメール名人」「Autoジョブ名人」と、「UC+ドキュメント」との組み合わせで電帳法対応が実現します。メールなら「Autoメール名人」、ウェブなら「Autoジョブ名人」で自動的にファイルを取得し、リネームします。それを「UC+ドキュメント」が指定するフォルダに保管し、管理します。

最後に

講演資料:「電子取引の電帳法対応を 成功させる方法とは?」より

概要図/特徴/テキストデータは名人で自動取得し、自動保管

 テキスト情報は、当社の「EOS名人.NET」とそのオプションである電帳法対応「クラウドオプション」で対応可能です。JIIMA認証取得済みです。「EOS名人.NET」が中央にあり、ここにEDIから取得したテキストデータを全て集約します。集約したタイミングで、「クラウドオプション」に自動的にアーカイブを投げるという流れになります。

「EOS名人.NET」は流通BMS準拠のデータベースを持っており、全てのEDI情報を集約できます。データ変換機能もあり、自社での設定が可能です。また、500メッセージ以上のライブラリもありますので、うまく組み合わせれば構築までの時間短縮が実現できます。

「クラウドオプション」は、「EOS名人.NET」のデータベースとつながっており、データを取得したタイミングで自動的にアーカイブが保存されます。もちろん取引先名、取引年月日、取引金額での検索も網羅しています。CSVでの出力も可能で、監査が入った時の提出も可能です。

 このようにテキスト情報は「名人シリーズ」で全てがカバーできます。

電子帳簿保存法について

 テキストとPDFを分けて保存してもいいのかと疑問を持たれるかもしれません。国税庁の一問一答では、「複数の改ざん防止措置が混在することは認められますか」という問いに対して、「データの様態に応じて複数の改ざん防止措置が混在しても差し支えありません」と回答しています。問題ありません。

EDIデータサンプル/専用システムを使わずに真実性/可視性の要件に対応しようとすると

 テキストとPDFを一緒に管理できない理由は、契約されている社数分だけ異なるレイアウトで来るためです。全て取り込み、検索条件を付けるのは困難です。また、外部データにするためには、真実性の要件、可視性の要件を満たさなければいけません。今回、ご紹介した製品を使っていただければ、短期間で、要件を満たしたシステムが構築できるのです。


5.対応ソリューションのご紹介 ~UC+ドキュメント~

電子帳簿保存法の対象書類と保存方法

大川 次は当社の電子帳簿保存法対応文書管理システム「UC+ドキュメント」の説明をします。本製品はスキャナ保存と電子取引データをカバーしています。

特長1 導入しやすい柔軟な料金プラン

 導入しやすい柔軟な料金プランとなっています。初期費用は10万円、ランニングコストは基本使用料月額2万円からご利用いただけます。データ保存容量は従量制で、初期で10GBを使用でき、容量を追加すると20GBごとに1万5,000円の追加料金がかかります。

 月に1,000通の請求書がある場合、7年保管すると考えると、250KB(電子化したA4請求書のサイズ)×1,000通×12カ月×7年で約20GBとなります。20GBあれば十分足りるでしょう。

特長2 基幹システムとのスムーズな連携/特長3 自社開発だから安心のサポート体制

 本製品はWeb APIを利用して、現在お使いの基幹業務システム、会計システムとの連携が可能です。基幹システムに既に入力されている情報を利用することで、特別な作業を増やさずスムーズな運用が実現できます。

 自社開発のため他社との調整が不要です。また、システムを担当する方がいない場合でも、弊社のSE、営業が対応させていただきます。スーパーカクテルPROCES.Sなど既に連携できる基幹システムがあるため、そちらに合わせて同じように連携することも可能です。

「UC+ドキュメント」のカンタン利用方法

「UC+ドキュメント」を単独利用する場合、請求書や納品書をアップロードして、取引先、取引日、取引金額などの項目を入力し、保存します。そのタイミングで、タイムスタンプが付与されます。

「UC+ドキュメント」の機能

 電子帳簿保存法に対応する「柔軟な検索機能」「タイムスタンプの自動付与と一括検証」「他システムとの連携」「セキュリティ」の便利な機能があります。これらの機能により、電子帳簿保存法対応に必要な5つの要件を満たし、電子帳簿保存法に対応したファイル管理が可能となります。

6.最後に

大川 ユーザックシステムさんの製品も私どもの製品も単独で利用できますが、組み合わせて使用することで、より効率的に、より完全に、電子帳簿保存法にのっとった書類管理が実現できます。

 電子帳簿保存法対応は法律で義務化されたものですが、これを機に業務の効率化も考慮して、ご検討いただければと思います。

特別資料「電帳法ToDoリスト」

2024年1月より始まる電子取引データの保存義務化について事業者さまが対応すべきチェック項目をわかりやすく図説!

製品カタログダウンロード

UC+ドキュメント

改正電帳法に対応する文書管理システム
UC+ドキュメントの製品カタログです。

東條氏
 講師ご紹介 
ユーザックシステム株式会社
パートナーアライアンス推進 チーフエバンジェリスト
東條 康博 氏

 講師ご紹介 
株式会社内田洋行ITソリューションズ
システム開発本部 ATD技術推進課
大川 貴志 氏

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